パパとママが寝静まった夜、
にんげんの子はこっそりおうちを抜け出して、
ふわふわの綿花の森にでかけました。
こひつじになりきってピアノを奏でます。
”ぽろろん、ぴろん"
楽しげな音に誘われて
かわいいりすがいっぴき、にひき。
ちょろちょろさわがしいねずみもいっぴき、にひき。
普段はクールなふくろうも、椅子に舞い降りてきました。
さあ、森のリサイタルが始まります。
"ぽろろん、ぴろん”
"なんて素敵な音色なんでしょう"
”まったく、にんげんみたいに上手ですね”
だあれもにんげんの子とは気づかず、
のんびり、ゆったり、心地良い音色に耳をかたむけます。
森のなかまだけがしっている、ひみつのリサイタル。